カランメソッドに挑戦してみたいけど、初心者には無理なのかな?
英語が短期間で身につくと言われるカランメソッドですが、初心者には難しいと言う声も聞きます。
一方、スクール側では「初心者からでも大丈夫」とうたっているところが多いです。
一体どっちなのか分からなくなってしまいますよね。
そこでこのページでは、カランメソッドが初心者に難しいと言われる理由と、初心者が取り組むときの対策をお伝えします。
結論から言うと、「たしかに初心者には大変。やり方を工夫したり、準備をしてから取り組むのがベター」です。
では詳しく見ていきましょう。
カランメソッドは高速で質問・回答を繰り返すトレーニング
はじめにカランメソッドはどんな学習法なのか、簡単に押さえておきましょう。
このように学習法としてはかなり特殊。ですが、密度の濃いレッスンで、生徒が話す時間も長いので、スクールの宣伝文句では「4倍速で英語が身につく」などとも言われます。
より詳しくはこちらのページで解説していますので、合わせてご覧くださいね↓
また、こちらのネイティブキャンプの動画も分かりやすいです↓
カランが初心者には難しいと言われる3つの理由
では、カランメソッドが初心者には厳しいと言われる理由を見ていきましょう。
文法事項や単語が英語で説明される
1つ目の理由は、英文法や単語の説明が英語で行われるということ。
カランメソッドのステージ1は「Is this a pen?」のような文章から始まります。初心者レベルですね。
ですが、レッスン中、新しい文法事項や単語の解説はすべて英語で行われます。
例えば、(ステージ3の例で恐縮なのですが)比較級の作り方は次のように説明されます。
When an adjective has one syllable, like “cheap”, we make the comparative by adding the letters “er” and we say “cheaper than”. We make the superlative by adding the letters “est” and we say “the cheapest”.
(訳:「cheap」のような音節が1つの形容詞の場合、最後に「er」をつけて「cheaper than」と比較級を作ります。最上級は「est」をつけて「cheapest」となります。)
英文法が苦手な人にはなかなか辛いですね…
しかも、レッスン中はテキストを見てはいけないので、リスニングだけでこれを理解しなくてはいけません。
adjective(形容詞)、comparative(比較級)といった文法用語も英語で出てくるので、なおさら難しいです。
これが初心者には厳しいと言われる理由の1つです。
先生の話す英語が速い
2つ目の理由は、先生の話す英語がかなり速いということ。
カランのレッスンは、「新しい単語・文法の説明を聞く」→「その単語・文法が入った質問に即座に答える」という流れの繰り返しです。
この中の、新しい単語・文法の説明は、わりとゆっくりめに話されるのですが、質問の部分がかなり速いです。
英語初心者でリスニングの力が十分でない場合、質問の内容が理解できないこともあるでしょう。
疑問点があっても質問できない
3つ目の理由は、分からないことがあっても、レッスン中に質問ができないということ。
カランのレッスンには、いくつかのルールがあるのですが、その1つに「質問禁止」というのがあります。レッスンの密度をあげるため、生徒側から質問はできずに、どんどん進むのです。
文法の説明などで分からないことがあっても質問できず、そのまま突き進むことになります。
まったく聞き取れなかったときなどに、「もう1回言ってください」くらいは許されますが、基本、どんどん進みます。
初心者がカランに挑戦するための対策3選
では、英語初心者がカランメソッドを受けるのは無理なのでしょうか。
これは私の個人的な意見になりますが、英語初心者の方が何も準備せずにふつうにカランを始めるのは避けたほうがよいと思います。
密度の濃いレッスンで、力のつく方法だとは思うので、取り組みたい場合は、いくつか対策をしたほうがよいです。
ここでは、その対策をいくつかご紹介します。
カランキッズからスタートする
1つ目の方法は、子ども用のカラン「カランキッズ」からスタートしてみるというもの。
え、子ども用のをやるなんて恥ずかしい…
そんなふうに思うかもしれませんが、心配いりません。例えば、ネイティブキャンプの公式サイトにもこのように書いてあります↓
実際に大人でもカランキッズに取り組んでいる人はいるので、安心して挑戦してみましょう。
基本的な進み方などは通常カランと同じですが、1つの文法・表現に対して、たくさんの質問・回答トレーニングをやる感じなので、じっくりと進められます。
基礎学習をやってからカランに取り組む
2つ目は、基礎的な学習をやってからカランに挑戦するという方法。具体的には、次のような学習をオススメします。
1つ目の音読は語学学習の定番の方法。リーディング、スピーキング、リスニング、発音など、英語の力を全体的に向上させることができます。
私も長い間取り組み、劇的な効果があった方法です。こちらのページで詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね↓
英文法については、学校での勉強を思い出す程度に復習すればよいと思います。「テストで100点とれるほどマスターしなければいけない」「実際に英会話で使えなければいけない」といったことはありません。
一通り思い出しておけば、カランのレッスンのときに英語で説明されても、ある程度ついていけるようになります。
そして、カランで質問・回答のトレーニングを積むことで、会話で使える力も伸びていきます。
ただし、「理解」はしておきましょう。「中学校でやったなあ。いま見ても意味が分からないなあ」ではさすがにダメです。
文法用語の意味と発音をおさえておく
文法のおさらいとともにやっておきたいのが、文法用語を押さえておくことです。
先ほども触れたように、adjective(形容詞)のような文法用語がふつうに出てきます。これが理解できないとちんぷんかんぷんになってしまいます。
それほどたくさんはないですし、繰り返し出てくるので自然と覚えられます。はじめにざっと押さえておきましょう。
はじめに押さえておきたいものをピックアップしておいたので、参考にしてみてくださいね↓
noun 名詞
verb 動詞
adjective 形容詞
pronoun 代名詞
singular 単数の
plural 複数の
simple 単純形
continuous 進行形
※文法用語について詳しくは↓こちらのページで解説しています。
復習をしっかりする
実際にカランのレッスンをスタートしたら、復習をしっかりやるようにしましょう。
そもそもカランメソッドは復習を重視した学習法です。レッスンだけ受けていても、なかなか上達しません。
特に英語初心者の方の場合、レッスン中にうまく聞き取れないものも出てくると思うので、レッスン後にテキストを見て、なんと言っていたのかしっかりおさえておきましょう。
また、次回のレッスンの復習パートでしっかり答えられるように、音読しておくことも重要です。
復習の仕方については、こちらのページで詳しく解説しているので、合わせて参考にしてみてください↓
ステージを繰り返す
カランメソッドは、ステージ1から12までの12個のレベルに分かれています。1つのステージで1冊のテキストになっていて、1冊終わったら、次のステージに進みます。
それが通常の進め方なのですが、実は、ステージを繰り返すこともできます。
例えば、ステージ3まで終わった段階で、「ここまできたけど、本当はステージ2でさえ、不十分な感じなんだよな…」と思ったら、ステージ2に戻ってもう一度レッスンしてもらうことが可能です。
イレギュラーな進め方ではありますが、結構やっている人もいます。しっかり身につくまで、繰り返しトレーニングしましょう。
多少ついていけなくても気にしない
最後のアドバイスはこれ。「ついていけなくても気にしない!」です。
カランメソッドは、英語を英語で学習する、先生の話すスピードが速い、質問禁止などのルールがあるため、初心者でなくても少なからずついていけない部分が出てきます。
私も、先生が何言ってるのか分からなかったり、回答が全然口から出てこず、先生のリードをただただまねするだけになったりすることがよくあります。
なので、「やっぱり私には無理なんだ」と思わず、気楽な気持ちでやっていきましょう。レッスン後にテキストを見て復習し、音読しておいて、次のレッスンで対応できればそれでOKなのです。
実はカランのテキストの中に、こんな例文が出てきます↓ カランのレッスンはそういうものなのです。
I shouldn’t worry if I don’t immediately understand some of the grammar in this book, because I will practice it again in other lessons, and I can study it at home.
(テキストに載っている文法が一部分からなくても、心配する必要はありません。なぜなら、次のレッスンでまた練習できるし、家でも勉強できるからです)
まとめ:カランは初心者には大変… 準備してから挑戦しよう
このページではカランメソッドが初心者に難しい理由と対策を解説しました。もう一度まとめておきましょう。
カランメソッドは、レッスンの密度が高く、生徒が話す時間も長いので、英語の力を伸ばすには効果的な方法です。
初心者にはハードですが、対策をとりながら諦めずに続ければ、きっと力は伸びていきます。
このページを参考にぜひ挑戦してみてくださいね。